ELmote® EM-ELDS01
LoRaWAN®︎ スマート距離センサー ELmote® EM-ELDS01の製品マニュアル(公式)です。
製品カタログは、ここからダウンロードできます。
また、当社ECショップでも販売しております。
目次
- はじめに
1.1 主な特徴
1.2 仕様
- LoRaWANネットワークへの接続
- アップリンクペイロード
3.1 モード1:定期的な距離報告
3.2 モード2:連続測定とカウンティング
3.3 モード3:連続測定と距離アラーム
- ATコマンド
- 注意事項
- FAQ(よくある質問)
- サポート
- 参考
1. はじめに
EM-ELDS01は、Dragino社のDS20L LoRaWANスマート距離検出器のOEM製品です。
長距離無線LoRaWAN技術を基盤としたスマート距離検出器です。
LiDARセンサーを使用して、EM-ELDS01と対象物の間の距離を検出し、その距離データをLoRaWANを介してIoTプラットフォームに送信します。EM-ELDS01は3cm〜200cmの範囲を測定できます。
本マニュアルでは、主な特徴・仕様と、3つの動作モードについて概説します。詳細は、DS20Lの公式マニュアルをご参照ください。
LiDAR面 |
外部電源ケーブル付属 |
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|
1.1 主な特徴
- LoRaWAN Class Aプロトコル対応
- LiDAR距離検出器(測定範囲:3〜200cm)
- 定期的検出または連続検出モード
- ATコマンドによるパラメータ変更
- LoRaWANダウンリンクによるリモートパラメータ設定
- アラームおよびカウンティングモード
- プログラムポートまたはLoRaプロトコルによるファームウェアアップグレード可能
- 内蔵2400mAh非充電式バッテリーまたは外部電源による駆動
1.2 仕様
- 動作温度:-40〜80°C
- 動作湿度:0〜99.9%RH(結露なきこと)
- 保存温度:-10〜45°C
- 測定範囲:3cm〜200cm(90%反射率)
- 精度:±2cm(3cm〜100cm); ±5%(100〜200cm)
- ToF FoV:±9°、合計18°
- 光源:VCSEL
2. LoRaWANネットワークへの接続
EM-ELDS01は、デフォルトでLoRaWAN OTAA Class Aモードに設定されています。LoRaWANネットワークに接続するには、OTAAキーをLoRaWAN IoTサーバーに入力し、ボタンを押してEM-ELDS01をアクティベートする必要があります。
詳細な接続手順については、DS20Lの公式マニュアルを参照してください。
3. アップリンクペイロード
EM-ELDS01は、事前の設定により3つの異なるモードで動作可能です。FPort=2を使用してそれぞれ異なるデータ形式でデータを送信します。各モードのペイロード構造と解釈方法、および利用シーンを以下に説明します。
3.1 モード1:定期的な距離報告(AT+MOD=1)
このモードでは、定期的に距離を検出して報告します。距離が制限を超えるとアラームフラグが1に設定され、外部割り込みによって報告をトリガーできます。
ペイロード構造(合計10バイト):
サイズ(バイト) |
2 |
1 |
2 |
1 |
4 |
値 |
BAT |
MOD+アラーム+割り込み |
距離 |
センサー状態 |
割り込みカウント |
- BAT:バッテリー電圧(mV)
- MOD+アラーム+割り込み:
- MOD(2ビット):動作モード(01 = 定期的な距離検出)
- アラーム(1ビット):距離制限超過フラグ
- 割り込み(1ビット):外部割り込みフラグ
- 距離:検出された距離(mm)
- センサー状態:0x00(正常)、0x0x(エラー)、0xFF(センサー未接続)
- 割り込みカウント:外部割り込みの発生回数
利用シーン:
- 在庫管理:倉庫や小売店で商品の在庫レベルを監視します。棚やコンテナの中身の量を定期的に確認できます。
- 廃棄物管理:ゴミ箱やリサイクル容器の充填レベルを監視し、効率的な収集ルートを計画します。
- 水位モニタリング:河川、貯水池、タンクの水位を定期的に測定し、洪水の早期警告や水資源管理に活用します。
※ただし、本製品のケースは防水防塵対応ではないため、利用シーンに応じて設置環境の調整する必要があります。
3.2 モード2:連続測定とカウンティング(AT+MOD=2)
このモードでは、連続的に測定を行い、設定された距離範囲内を通過する人や物体をカウントします。高い電力消費のため、外部電源が必要です。
ペイロード構造(合計13バイト):
サイズ(バイト) |
2 |
1 |
4 |
4 |
2 |
値 |
BAT |
MOD+収集モード |
カウント |
パルス時間 |
収集閾値 |
- BAT:バッテリー電圧(mV)
- MOD+収集モード:
- MOD(2ビット):動作モード(10 = 連続測定とカウンティング)
- 収集モード(1ビット):0(低レベル収集)または1(高レベル収集)
- カウント:起動からの総カウント数
- パルス時間:検出開始までの時間(ms)
- 収集閾値:検出範囲(mm、10〜2000)
利用シーン:
- 来店者カウント:小売店や公共施設の入口で来訪者数を正確に把握します。これにより、混雑状況の分析や人員配置の最適化が可能になります。
- 交通量モニタリング:歩行者や自転車の通行量を測定し、都市計画や交通管理に活用します。
- 生産ライン監視:工場の生産ラインを通過する製品数をカウントし、生産性の分析や品質管理に利用します。
3.3 モード3:連続測定と距離アラーム(AT+MOD=3)
このモードでは、連続的に距離を測定し、設定された制限を超えた場合にアラームを発します。高い電力消費のため、外部電源が必要です。
ペイロード構造(合計6バイト):
サイズ(バイト) |
2 |
1 |
2 |
1 |
値 |
BAT |
MOD+割り込みフラグ+アラームフラグ |
距離 |
距離状態 |
- BAT:バッテリー電圧(mV)
- MOD+割り込みフラグ+アラームフラグ:
- MOD(2ビット):動作モード(11 = 連続測定と距離アラーム)
- アラームフラグ(1ビット):0(正常)または1(アラーム状態)
- 割り込みフラグ(1ビット):0(低状態)または1(高状態)
- 距離:検出された距離(mm)
- 距離状態:0x00(正常)、0x0x(エラー)
利用シーン:
- セキュリティ監視:美術館や博物館で展示物への接近を検知し、不正なアクセスを防止します。
- 安全管理:工場や建設現場で危険区域への立ち入りを検知し、作業者の安全を確保します。
- 駐車場管理支援:駐車場スペースの空き状況を検知し、効率的な駐車場サービス実現を支援します。
4. ATコマンド
EM-ELDS01の設定は、ATコマンドを使用して行うことができます。主要なATコマンドには以下のものがあります:
AT+TDC
: 定期通知のインタバル設定
AT+MOD
: 動作モードの設定 (1, 2, または3)
AT+INTMOD
: 外部割り込みモードの設定(0, 2, または3)
AT+DOL
: 閾値とモードの設定(AT+MOD=1の時のみ有効)
詳細なATコマンドリストとその使用方法については、DS20Lの公式マニュアルを参照してください。
5. 注意事項
- 本製品は屋外での使用を想定していますが、極端な環境条件下での使用は避けてください。
- 測定精度を維持するため、センサー部分を清潔に保ってください。
- バッテリー寿命は使用条件によって変動します。頻繁な測定や通信は電池の消耗を早めます。
- モード2および3は高い電力消費を伴うため、外部電源の使用を推奨します。
- 保管時は指定の温度範囲 (-10°C〜45°C) を守ってください。
6. FAQ(よくある質問)
Q1: 3つのモード(AT+MOD=1, AT+MOD=2, AT+MOD=3)の違いは何ですか?
A1: 3つのモードの主な違いは以下の通りです:
- モード1: 定期的な距離報告。バッテリー駆動に適しています。
- モード2: 連続測定とカウンティング。人や物体の通過をカウントします。
- モード3: 連続測定と距離アラーム。設定された距離制限を超えた場合にアラームを発します。
モード2と3は高い電力消費のため、外部電源の使用を推奨します。
Q2: バッテリー寿命はどのくらいですか?
A2: バッテリー寿命は使用条件(測定頻度、通信頻度、環境温度など)によって大きく変動します。モード1で1日1回の測定・通信を行う場合、理論上は数年の寿命が見込めますが、実際の使用環境での確認をお勧めします。
Q3: 測定精度を向上させるにはどうすればよいですか?
A3: 以下の点に注意してください:
- センサー部分を清潔に保つ
- 測定対象物の反射率が高いことを確認する(90%反射率で最適な性能を発揮します)
- 環境光の影響を最小限に抑える
- 複数回の測定結果の平均を取る(モード2を使用)
7. サポート
本製品に関するお問い合わせやサポートについては、以下の連絡先までご連絡ください:
製品の詳細仕様や高度な設定については、DS20Lの公式マニュアルも併せてご参照ください。
8. 参考